ネガティブ感情を大切に

私たちは人間は基本ポジティブ主義で生きています。個人差はありますが、ポジティブでないと何もチャレンジしなくなって人類が滅びてしまうからだそうです。誰も獲物が捕まるとは限らないのに命の危険な狩りに出掛けたくないですよね。

 

行動経済学創始者ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カール氏によると、ビジネスマンは自分の能力を過大評価し、合理的判断ではなく楽観主義によってベストシナリオやベストストーリーで計画をたててしまい、成功しようもないプロジェクトを推進するのです。

 

婚活も同じことがいえます。結婚相談所では3カ月で成婚など普通に考えたらできそうもない目標を設定して婚活をスタートします。確かにビギナーズラックといって、はじめてすぐ良い人と巡り合い、3カ月で成婚(婚約)に至っているカップルは多くいます。でも通常はもっと時間をかけて相手を知り、お付き合いを経て成婚していきます。

 

この時、ネガティブな感情にもぜひ目を向けていただきたい。どうしても結婚を強く望んでいると楽観バイアスがかかってしまい、ネガティブな感情を無視したり、自分が違和感を感じているのにも関わらず、気が付かないようにしたりしてしまいます。自分のからだから発するちょっとした違和感は説明しようがないものです。でもこの違和感を大切に。相手をよく観察し、順調にお付き合いしていたとしても、立ち止まり、断る勇気をもってください。ネガティブ感情に蓋をしてしまい、ポジティブに相手にもよいところがあるのだからと言い訳をしていると、誤った判断を下してしまいます。

 

双方のご両親へのあいさつを済ませ結婚式の直前で破局、または結婚してから即離婚となるケースを多く知っています。自分のネガティブ感情に耳をすませ、気づいた段階で長引かせず早く断る。これが自分とお相手の貴重な感情と時間を守る最も合理的な方法なのです。